みなさんこんにちは。吉野です。予想通り時間が経つのが早かった6月。世間も少しずつ、少しずつですが、コロナ禍からの脱却へ向けて世間も会社も動き始めているような印象をおぼえます。秋田の夏祭りも今年は再開するところが多いようです。人を受け入れることによって観光客も増え、感染がまた爆発しないか?と不安になる方もたくさんいるとは思いますが、まるで霧がかかったようなここ数年のコロナ禍の日々をお祭りの力で少しでも晴らしてくれますようにと、私は思うのです。久しぶりに思い出がたくさんできる「夏」が蘇りますように。。。(余談:私の地元、秋田市新屋の花火大会も再開するようです。楽しみだのう。)
さて、本題へ。少しずつコロナ禍の終わりに進んでいる気はしますが、この不景気からの回復は依然として不透明。コロナ禍対策としての”ゼロゼロ融資”の返済も始まる会社さんも増えてきています。私のところにも資金繰りに関する相談がとても多くなってきました。不安を煽るわけではないのですが、コロナ禍と所得向上が伴わない物価上昇が重なっている2022年は非常にきびしい景況感だと感じます。値上がりのピークは夏以降も続き秋に一段高になる見通しですし、この先倒産件数や経営破綻は全国で増加していくことは間違いないでしょう。
では、こうした厳しい景況感の中で小規模事業主や中小企業者が生き残るためにはどうすればよいのでしょうか?コスト削減、売り上げアップはどちらも大事ですが、実は私はこれだけでは生き残りは難しいと考えています。もちろん、やらないよりはマシですが、限界があります。ではどうするのがよいのでしょうか?一言で言うと「整える」ことだと私は感じています。会社は当然ですが、経営者の心も整える必要があります。経営者が不安や悲観を抱えた状態では事業もうまくいきません。散らかった事務所、部屋、どこから借入をしているかわからない状態も避けた方がいい。散らかった状態は散らかった状態を生むだけです。これはスピリチュアルな話ではありません。いわゆる物理学のエントロピーの法則に基づいています。「物事は放っておくと乱雑・無秩序・複雑な方向に向かい、自発的に元に戻ることはない」という話です。つまり、赤字や経営難を放っておいても戻らんということ。
ちなみに、この「整える」ことと経営を見事に繋げた先駆者がいらっしゃいました。その名は一倉定先生。”日本のドラッカー””社長の教祖”とも呼ばれた伝説の経営コンサルタント。その一倉さんが大事にしていたのが「環境整備」という考え方でした。
環境整備とは、規律・清潔・整頓・安全・衛生の5つを行うことである。多くの人々は、環境整備について、知っているようで、その実よく知らない。大切なことだから、やらなければいけないと思いながら、なかなか積極的に実施しようとはしない。環境整備をテーマにした論文やセミナーなど皆無に近い。環境整備に対する認識も関心もうすいのである。私にいわせたら、これほど奇妙な現象はない。
一倉定の社長学第9巻『新・社長の姿勢』より
(環境整備は)私の考え方まで変えてしまった。これを徹底すると、人間まで変えてしまう。そこにあるのは、“人間革命”ともいえるものである。「塵(ちり)を払わん、垢(あか)を除かん」──この言葉は、ひとつとしてものを覚えられない“シュリハンドク”」に、お釈迦様がお与えになった言葉である。彼は、この言葉をくり返しながら、黙々として掃除をすることによって、誰にも負けない「悟り」を得ることができた。掃除をしているうちに、心の塵、心の垢を取り去ることができたのである。
一倉定の社長学第10巻『経営の思いがけないコツ』より
規律・清潔・整頓・安全・衛生の5つを行うことが環境整備。さらにわかりやすくいうと”ちゃんとする”ことですね。ちなみに、一倉先生の持論として、「環境整備をやれば売り上げが上がる」というのがあります。本当にそんなうまくいくのか?と思ったそこのあなた笑 本当なんです。実際、一倉さんは生涯で5000社以上の赤字企業を再建したそうな。。。
もし、あなたが赤字または資金繰りで悩んでいる場合は環境を整えることから始めませんか?一緒に整理整頓しましょう。心も経営状態も。経営者の思考が整理されれば会社は変わります。全ての原因は社長ですから。一倉先生の名言を載せて結びとします。お読みいただきありがとうございました。
外部環境のせいにするな、すべては経営者の責任だ。
一倉定
事業経営の成否は、99%社長で決まる。
一倉定
捨て去る事こそ革新の第一歩。
一倉定