【読書の森】感動CX~日本企業に向けた「10の新戦略」と「7つの道標」/東洋経済新報社【低体温経済でも生き残る会社のポイントを学ぼう】

こんばんは。10月も残りわずかとなりました。秋田はだいぶ気温が下がってきた。冬の足音が徐々に近づいてきている。秋田に限らずですが、東北の冬は本当にきびしい。寒いし吹雪の時はなかなか出かける気にならない。だが、私は冬生まれということがこともあるかもしれないが、冬が好きだ。あったかい部屋にいて飲む、おいしいお酒とあったかい鍋、それだけで幸せな気分になる。それだけでね。

あとは冬の静けさも好きだ。家にいるととても静かな時間を過ごせる。四季の中でもっとも勉強に向いている季節だと勝手に思っているわけであります。今年の冬はおそらくですが、とてもきびしい冬になるでしょう。世相は暗く、出口が一見見えないほど暗いはず。でもね、イギリスの宰相チャーチルはかく語りき。

現在我々は悪い時期を通過している。事態は良くなるまでに、おそらく現在より悪くなるだろう。しかし我々が忍耐し、我慢しさえすれば、やがて良くなることを私は全く疑わない。

ウィンストン・チャーチル

秋も冬も激動の展開が予想される世相ですが、元気にがんばりましょう。

さて、今日は一冊の本をご紹介。未来予測・国際情勢・マーケット分析などを中心に事業を展開しており、いつもお世話になっている国際派シンクタンク、株式会社原田武夫国際戦略情報研究所・原田武夫さんのご紹介で知りました。その名も「感動CX」。分厚い本でしたが、読んでよかった。今、現在事業を展開されている事業者さん、経営者層は必見かと。

なぜこの本を読んだ方がいいか?それは「CX(カスタマーエクスペリエンス)」の向上こそ、これからの時代を企業(個人事業主含)生き抜くために必須となりつつあるからだと。以下、本著のあらすじを公式サイトから引用。


顧客を驚かせ、感動を与え続けるための“徹底攻略本”「顧客目線」という合言葉とともに、CX向上をテーマに掲げる企業が増えている。「CX向上に本腰を入れない企業は、淘汰される」という声は、日に日に増しているが、CXと切っても切り離せないDXに向けた活動で、成果をあげられていない日本企業も多いのが現状である。DXに向けた変革活動を前進させるためにも、本書では「CX思考」について深掘りしていく。本書内では、ベイカレント・コンサルティングが蓄積してきたデータや知見から、顧客の消費行動を分析し、企業戦略・事業戦略の根幹となるCXの組み立て方について解説。先進的な企業事例を多く取り上げ、その成功の秘訣にも迫る。事例・アカデミックの両面から「CX思考」について切り込んだ1冊だ。

感動CX | 東洋経済STORE (toyokeizai.net)

今は本当にどの事業者にとっても大変な時代です。しかしながら、それを嘆いてても何も解決につながらない。ではどうするか?この本にある通り、1つの打ち手としてCX向上はテーマになっていくのではないか?部分的にやり方を改善するだけでは一時しのぎに過ぎない。

例えば、多くの飲食店がコロナ禍をきっかけにテイクアウトサービスをはじめました。私が暮らす秋田でもそうです。だがしかし、それは「CX」の視点が入っているだろうか?調査はしていないので分かりませんが、ほとんどの飲食店はコロナ序盤に比べて、テイクアウトサービスの勢いは最近なくなってきているのではないかな?なぜ、そうなるかというと理由はシンプル。顧客の期待を超え続けるサービスを提供することができなかったからと推測できる。

消費者がコロナ禍のテイクアウトサービスに飽きたわけではない、時間が経つにつれてベネフィット(顧客にとってのうれしさ)よりもコストが上回ってしまったので利用する人が徐々に減っていったのではないだろうか?こうした状況に対して本著は明快な方針を示してくれる。

つまり、サービス提供企業としては、移ろいゆく顧客が感じるベネフィットに適う要素を提供し続け、CXの価値が低下しないように取り組んでいく必要がある。モノを売ることが一旦のゴールであった既存ビジネスとは違い、現在のビジネスは購買やサービスの利用開始が顧客との長い関係のスタートにすぎないと心得る必要がある。

感動CX 21Pから引用

モノが売れない時代と言われて久しいが、それでも売れている企業はある。規模は関係なく、ビジネスの場所も関係ない。共通点は「CX」だ。その他にもこの時代を生き残るために必要な様々な考え方が本著では紹介されています。厳しい「冬」を乗り越えて、それでも顧客に価値を届けたいと強く願うあなたは必読。一緒に乗り越えましょう。この本は本当に有益な情報が盛りだくさんでしたのでまた紹介いたします。お読みいただきありがとうございました(^^)

この時代でも仕事にモテる人の意外過ぎる共通点とは?

こんばんは。毎週1回を目標にコツコツ続けているこのブログ。大体、日曜日の午前中にアップしていますが、今日は珍しく夜の更新です。だからと言って内容が特別変わるわけではない、いつものように書きたいことを書いていきます。

さて、みなさん最近景気はどうですか?ボーナスが減った?残業代が出ない?光熱費が上がった?大体そんな感じ。つまり、THE・不景気。そう!今って近年に稀見るTHE・不景気!ここでは敢えて繰り返しませんが、止まらない円安、終わらないロシア・ウクライナ戦争による原材料&光熱費高騰、なかなか減らないコロナ感染者数など、もうたくさん!と言いたいほどに不景気の原因が積み重なっているのが2022年10月時点の現在地。嫌になっちゃいますがしょうがない。それでも仕事はしていかないとね😊

それで、そんな不景気でも、割と元気に仕事に恵まれている人たちは一定数以上存在しています。経営者でもサラリーマンでもそんなのは関係なく存在。では、そういう人たちはどんな共通点があるでしょうか?これ、完全に私の主観ですが共通点はあると思います。ただ、年齢や見た目、口癖、ライフスタイルなどでは共通点はなかなか見つからない。でも、確実に共通点はあるんです。

それは何か?それはですね〜仕事の時間中に電話をしている回数が多い!という共通点。そうなんです。この時代でも仕事に恵まれる人たちはなぜか電話を使っている人が多いんですよね〜 これマジ。メールでもLINEでもなく、なぜかワンポイントで使っているのは電話!なんででしょうね?いろんな理由が考えられますが、1つは結局、人とコミュニケーションを取るときは文字よりも声の方が効率が良いと経験的に知っているからでしょう。LINEとかメールですと必ずしも返信したりしなくてもいいときってありますよね?特に仕事絡みは。ところがどっこい、電話って結構対応したくなるんですよね。まぁ、無視する人もいますが笑 

今はかなり便利な時代で、なんでもLINEやslackなどビジネスツールでコミュニケーションを取りやすくなりました。でも、やっぱりどんなにテクノロジーが進化しても「声」のコミュニケーションが一番人を動かしやすい気がします。

最近、仕事来ないなぁとか悩んでいる人がいれば、騙されたと思って全部電話でコミュニケーションしてみてはどうでしょう?ちょっとだけ世界が変わるかもしれませんよ。お読みいただきありがとうございました😊

(ふるさと秋田、そしてわたしへ)江戸以降の豊かさ幻想から目を覚まし創意工夫するべきは今なのだ

 こんにちは。吉野です。三連休の最終日、いかがお過ごしですか?私は今週末のセミナーの準備やらで忙しくすごしています。違うな笑 土曜日は奥さんと盛岡で開催された北のクラフトフェアへいっていきました。全国各地から工芸品をつくっている職人さんたちがたくさん集まるイベント。楽しかったなぁ。盛岡という街は一見すると地味。

だがしかし、本当に奥深い魅力を持つ街なのだ。古い建物が残っていたり、歴史や物語を大切にする気風があったり、全国的にも有名な喫茶店が数多くあったりと。。。東京や仙台などに広がる日本の都市風景をアメリカ的と括るならば、盛岡市のそれはヨーロッパ的な感じがするのだ。中心部に川が流れる風景はどこか京都四条あたりにも似ている。盛岡という街からは消費文化のにおいはあまりしない。流行には安易に流されないで自分たちの文化を貫くという無骨だが力強い雰囲気が色濃く残っている。流行ものや浮ついた雰囲気や派手なイベントが苦手で歴史や文化、地味だが丁寧な仕事ぶりに惹かれる私にとっては盛岡は非常にここちよい。11月また行くことを楽しみにしているよ。

盛岡の話を冒頭持ってきたので、次はわたしのふるさと秋田の話をしよう。私は秋田のことは好きだ。人柄も穏やかな人が多く、東北人のなかでは割と楽観的で社交的な人が多い気がする。温泉も多く、野菜もお米もおいしい。だがしかしだ、このままでは秋田は非常に厳しい未来が待っていると言わざるを得ない。それは少子高齢化がどうした、県知事や市長、まちづくりがどうした、という原因ではないまったく別の視点で感じることなのだ。

秋田県という県は実に恵まれた県であり、一種のユートピアだったのではないか?と私は思っている。江戸時代から昭和の高度経済成長の間はとくにそうだっただろう。なぜか?秋田は「富が自然に出てくる場所」であり続けたからだ。具体例を挙げよう。秋田には鉱物資源、石油資源、温泉、秋田杉、はては、お米、伝統工芸、日本酒までとにかく「豊かさの象徴たるもの」が出てくる場所だったのだ。未開の地と思われてきた東北の地に山ほど金銀銅が取れる鉱脈が発見されたら江戸時代のお偉いさんはどう思っただろう?しかも温泉もある!ここは楽園かと思ったのではないのだろうか。。。

そう、秋田は長い間「北の楽園」であった土地なのだ。では実際の今の秋田はどうか?少子高齢化や所得減少など苦境に喘いでいる。しかしながら、奇妙なことに、秋田県在住の人たちは年齢関係なくそこまで絶望したり、必死に何とかしようと思っている雰囲気はあまりない気がする。実に不思議だ。ではなぜか?これは私の仮説だが、江戸時代以降蓄積されてきた「北の楽園であったころの豊かな記憶」の残滓があるからだと考えている。昔のよかったイメージがもたらす多幸感は強烈だ、感動的な映画を見たときの余韻がずっと残っているような感じに近い気がする。秋田は平成以降もずっとその記憶が県全体を包んでいる気がする(目には見えんがね)それを悪いことだとは思わないが、時代は変わったのだ。いつのまにか秋田は「豊かさの象徴が自然に湧き出る場所」ではなくなり、基幹産業も育っていない課題山積みの東北の一県になったのだ。今の日本の豊かさを示す場所はおそらく東京でしょう。人・モノ・カネが集まる場所こそ豊かさの象徴となったのだ。

持たざる場所は持たざる苦悩を知り、創意工夫を必死でやる。いつか豊かになることを夢見て。秋田は現在、秋田県としての県政が始まって以来の危機的状況にあると私は勝手に思っている。今まで持たざる状況になったことが少なく、そしてその状況を自力で打開する創意工夫を積極的に行ってこなかったのに”それ”に取り組まざるをえない状況に立っているからだ。

今は豊かさの幻想から目を覚まして、今一度、創意工夫で価値を高める必要がある。事業者ならなおさらだ。豊さはあるものではなく、創意工夫の結果得られる1つの結果だ。お米があるのは当たり前じゃない、温泉があるのは当たり前じゃない、石油資源が掘れば出てくるのも、風が強いのも当たり前じゃない、天然資源に頼らず、そろそろ自立の道を探るタイミングなのではないか?ずっとやってこなかった宿題をやる子供みたいだけど、やればきっとできるからさ、がんばろうね、秋田県。私もがんばるから。政治家みたいな文章になったな笑 選挙はもちろん出ません(笑) お読みいただきありがとうございました。来週もがんばれ!

せい病ではなく伏線にすることが業績改善の第一歩なのでは?

こんにちは。最近数年ぶりに名刺を作り直した吉野です。名刺ってよく見ると結構物騒な感じの組み合わせ。名で刺す!だから四角くくて尖っているのか? まん丸の名刺ってあんまりないもんなぁ。武士文化の名残りか?気になって、調べたところ、全く違ってました笑 

もともと名刺は中国由来だそうな。名刺の”刺”は中国では昔”紙”の意味。日本では江戸時代から使われていたようです。用途は外国人と交流するためが多かったとか。勉強になります。(参考:https://www.lion-meishi.com/column/column24/

さて、表題の件、普段お世話になっている社長との雑談で出てきた言葉。”せい病”。聞いたことあります?これはですね、何か自社の状態が悪化したときに”○○のせい”という考え方に自動的になってしまう考え方のクセを指すそうです。

ひと昔まえだと、リーマンショックのせい、今だとパンデミックのせい、ロシアウクライナ侵攻のせい、原材料高騰のせい、政府のせい、まぁこんな感じかなと。コメダ珈琲でサラリーマンや主婦が友達同士でお茶話するくらいであればまぁ全然いいんですけど、これを社長が使ってしまうとその会社はちょっとまずい事になるかも、黄色信号。

なぜか?それは自社の状態が悪化している理由を外部環境から探してしまうからです。外部環境の変化は経営に少なからず影響を及ぼす要素ではありますが、それだけではないはず。例えば、原材料高騰の件だって、仕方がないと嘆いたり、ロシアが悪いと言ってみたりする社長もいれば、社内で余計なコストが発生していないか総点検する機会に変えたり、新たな仕入れ先や商品開発に力を入れる社長さんもいるんだす。

外部で起きてる原材料高騰の流れを止めたりすることは私も含め、一般庶民にはできない。当然ですよね。これを〜のせいと捉えるか?何かの機会と捉えるか?これの差はとても大きい。何かの機会と捉えるて行動を変えることはある意味、どんな外部環境の悪化が訪れてもそれを伏線に変える強さがありますね。とんでもない事態が起きても創意工夫しながら、難局を伏線にして課題解決を目指す社長はきっと大丈夫でしょう。俺のコンサルなんざ不要です、こういう社長さんは。

これは私の個人的な見立てですが、今後も株価の乱高下はあり、高騰局面も来るとは思います。でも、一般庶民にプラスの影響は微々たるものでしょう(もしかするとないかもしれない)足元のインフレは来年も続くでしょうし、世情の混乱もよりいっそう激しくなるでしょう(世界のマーケット記事を読むと来年以降のリセッションがより確実かわかる。例)https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-09-28/RIXE9ZDWRGGP01)とんでもない世の中だぜ!

そうなると、どうなるか?せい病がより一層増えます。でも、せい病はなんの解決にも至りません。せい病ではなく伏線を張って前向きに進化する生き方を一人でも多くの方が実践できるようになりましょう。もちろん、私もがんばります。会社の規模は関係なく、今売上が少ない、存続が危うい、廃業するかもしれないと思っている人は”せい病”が自分の中にないか点検しましょう、そして、せい病ではなく伏線病になりましょう。マーケティング理論を活用した売上アップの作戦はその次の話です。

希望を失わず10月も充実した月をお過ごしください。お読みいただきありがとうございました。