地方都市で事業を行う経営者様にとっての一番の課題はなんでしょう?中小企業庁の「中小企業白書・小規起業白書概要」をもとに調べてみました(参考資料:中小企業庁:小規模企業白書 (meti.go.jp) )経営者の方はご自身が置かれている状況を客観的に知ることができます。記事は随時更新していきます。資料すべては解説することはせず、章を抜粋して触れています。地方都市の小規模事業者・中小企業様にとって役に立つ情報を揃えました。ぜひご覧ください。
業績動向
⚫ 中小企業の業況判断DIは、2020年4-6月期にリーマンショック時を下回る水準まで急激に悪化。
⚫ 足下では、持ち直しの動きも見られるが、依然として厳しい状況。
引用元:2022年版 中小企業白書・小規模企業白書概要
➡景気というのは直接つかみづらいものですが、やはり、依然として厳しい状況が続いています。
倒産の状況
⚫ 我が国の倒産件数は、2009年以降は減少傾向で推移。2021年は資金繰り支援策などの効果もあり、6,030件と57年ぶりの低水準となった。
⚫ 一方で、新型コロナウイルス関連破たんの件数は、昨年9月から4ヶ月連続で月別件数として
過去最多を更新するなど、月別件数は増加傾向にある。
引用元:2022年版 中小企業白書・小規模企業白書概要
➡ゼロゼロ融資を中心とした資金繰り支援によって、延命する企業が増えました。しかし、徐々に返済が始まりはじめ、時間差で倒産する企業が増えてきました。コロナ前の売上に比べれば完全回復とは言えない状態の企業が大半です。今後も、倒産件数は増加していく傾向にあるでしょう。
中小企業における足下の感染症への対応
⚫ 中小企業においては、今後の経営上の不安要素として、「原材料価格・燃料コストの高騰」や
「人材不足・育成難」を挙げる割合が上昇。経営基盤の強化に向けた注力分野としては、「人材
の確保・育成」などの割合が上昇。
⚫ こうした中で、不安要素として、「国内の消費低迷、販売不振」は引き続き上位に位置している。
(注力する分野として、「営業・販売力の強化」を挙げる企業も一定数存在。)
引用元:2022年版 中小企業白書・小規模企業白書概要
➡人手が不足しており、人手確保の動きが強まる中、注目すべきは「営業・販売力強化」を今後、注力する分野として挙げている企業が増えている点です。売れない時代と言われて久しいですが、こうした状態でも売り上げを増やしていく必要があります。生き残るためには、この厳しい経営環境でもお客様に価値を届けていく戦略をもって経営することが必要不可欠です。今、まさに経営戦略やマーケティングに関する深い理解と実践が全経営者に求められています。
中小企業における足下の感染症への対応
⚫ 感染症下において事業再構築を行い、既に売上げ面での効果を実感する企業も存在。また、
早期に取り組んだ企業ほど既に効果を実感している。
引用元:2022年版 中小企業白書・小規模企業白書概要
➡コロナウイルスの感染拡大なので、売れないと感じている事業者様は多い。だが、その一方、事業の見直しを行い、売上を回復させた事業者も存在しています。コロナウイルスだから売れないというフィルターにかからず、どうすればこの状況下でもお客様が来てくれるか?という思考に転換することはとても大事です。ルールが変わったので、そのルールに速やかに対処しましょう。
以上、2023年1月15日更新。以下、随時更新。
企業の成長を促す経営力と組織(無形資産投資に着目した背景)
⚫ 企業の成長(付加価値向上)を促す方法として、労働力の確保や有形資産投資の増加も挙げられるが、人的資本・研究開発・IT資本等への投資をはじめとする無形資産投資の増加も成長を促す方法の一つ。
⚫ 無形資産投資は、イノベーションをよりもたらす等の経済的特性から近年注目を集めている。無形資産投資の増加が有形資産投資と比べて生産性をより向上させるとの分析があることも踏まえ、今回着目。
引用元:2022年版 中小企業白書・小規模企業白書概要
➡これはおもしろいですね。一昔前までは事業者での”投資”は設備関連や広告を指すことが多かった印象があります。ところが、近年は無形資産(人的資本・研究開発・IT資本など)への投資が注目を集めているようです。確かに、最近日本のみならず世界中で流行っている”リスキリング(学び直し)”というワードにもこうした背景がありそうです。自社の無形資産は何ですか?そしてその資産に対する投資は積極的に行っていますか?今後、ポストコロナ局面においてスタートダッシュを切れるかどうか?のポイントになっていきそうです。
企業の成長を促す経営力と組織(人的資本への投資②)
⚫ 計画的なOJT研修、OFF-JT研修いずれも実施している企業では、売上高増加率が最も高い。計画的なOJT研修やOFF-JT研修を実施し、従業員の能力開発を進めることが重要。
引用元:2022年版 中小企業白書・小規模企業白書概要
➡計画的なOJT研修、OFFーJT研修いずれも実施している企業では、売上増加率が最も高いそうです。これは興味深い。小規模企業において計画的な研修を実施しているところは限られていますが、実施することで売上増加が見込めるのであればこれはやらない手はないですね。売上増加のきっかけは意外に足元にあるのかもしれません。
以上、2023年1月22日更新。以下、随時更新。