今回の記事タイトルですが、日本におけるアドラー心理学の第一人者、岸見一郎先生が書いた日経BP社の記事から引用しました。名著「嫌われる勇気」で一躍有名になられましたね。とてもいい本でした。今回の記事もで、社会人はもちろん学生さんにもきっと役に立ちます。新年のお供にどうぞ。以下サイトURLです。
『嫌われる勇気』著者、頑張らない人は「やればできる」と思いたい:日経ビジネス電子版 (nikkei.com)
さて、私はコンサルティングを生業としているため、様々なお立場の経営者の皆様とお仕事をする機会があります。そうした中で、私よりも年齢、ご経験ともに一回り以上離れた方々に対して、指導させていただくというシチュエーションも多く発生。テーマは人それぞれなのですが、「これをやってきてください」と私が依頼させていただいた「宿題」に対する反応は大まかに分けて2つに分類されます。
1つ目は素直にやってきていただけるパターン、もう1つは理由は何であれば宿題をやらないパターン。最近は、後者のパターンに出会う確率はかなり少なくなりましたが、駆け出しの頃はよく出会っていました(笑) 「宿題」をやってこない理由はいろいろと考えられるのですが、イマイチしっくり来る理由が見つかりませんでした。しかし、今回の岸見先生の記事を読んでその理由がようやくわかりました。スッキリ爽快。
おそらく、「宿題」をやってこなかった人たちは、その宿題をやらなくても、自身の課題を解決できると思っていらっしゃったのではないでしょうか?または、今は宿題をやらないけど、やればできると思っている人たち。確かに、”やればできる”というキーワードは麻薬のような魅力を放ちます。特に現状を変えなくても現状を肯定することができるワードだからです。
今はできないけど”やればできる”。今は食事を節制できないけど痩せようと思えばいつでも辞められる。今はサラリーマンだけど起業する気になればいつでも会社を辞めて起業できる。。。。などなど。。。
人生を生きていくうえでは、こうした”やればできる”というスタンスを持ち続けていても何ら困ることはありません。むしろ、ある程度の年齢まではプラスに働くのではないか?とすら思います。ただし、あなたがご自身で切実に解決したい課題があって、長年その課題に悩んできたという場合は、この”やればできる”スタンスは非常に危ういので注意しましょう。なぜ、危ういのか?それは、”やればできる”という可能性の中に生き続けて”何もしなかった”という人生になってしまう危険性を持っているからです。以下、岸見先生の日経BPからの引用です。
自分には価値がないと思いこもうとする、とは?
一生懸命に仕事に取り組もうとしない人に、リーダーが「君ならできる。頑張れ!」といえば、いよいよ頑張らなくなります。
なぜなら、その人は「頑張ればできる」という「可能性」のなかに生きることを選ぶからです。
『嫌われる勇気』著者、頑張らない人は「やればできる」と思いたい (2ページ目):日経ビジネス電子版 (nikkei.com)
もし、あなたがチャレンジしたいこと、成し遂げたいこと、変えたいことがあるとするなら、”やればできる”という可能性だけ持つのはやめましょう。それに加えて「やったらできた」という自分の行動経験をセットで積み上げていくようにしましょう。やってできなくてもいいじゃないですか。やればできると思い込んでありもしない可能性に浸る時間がなくなるのですから。
可能性は浸るものではなくて、行動を通して近づいていくものです。やればできる症候群は油断しているとすぐに罹患していまいます。やればできるではなく、今日からやりましょう。周りはきっと応援してくださいます。